第196回塑性加工シンポジウム
(プロセス・トライボロジー分科会第8回公開研究会・第87回研究会)
「塑性加工における環境に優しい潤滑技術」





日時:平成12年7月 27 日(木) 9:25〜17:00
会場:東京都大崎労政事務所 第5・6会議室[東京都品川区大崎1-11-1ゲートシテ ィ大崎ウエストタワー2F  
電話(03)3495-4915]
主催:日本塑性加工学会(実行:プロセス・トライボロジー分科会)
協賛:軽金属学会,精密工学会,日本機械学会,日本金属学会,日本トライボロジー 学会,型技術協会,全日本鍛造協会,日本金属プレス工業協会,日本鉄鋼協会,日本 金型工業会,日本鍛圧機械工業会,自動車技術会,鍛造技術研究所,日本産業洗浄協 議会,全日本工作油剤工業組合

趣旨:塑性加工における潤滑技術は,摩擦制御,工具摩耗防止,製品表面仕上げ向上 等の要求から必要不可欠である.しかし,近年環境問題がクローズアップされ,環境 負荷の大きな潤滑剤の使用は極力避けなければならない.潤滑剤を使用しないという 究極的かつ理想的な塑性加工を実現するまでの過程として,現状では,環境負荷を軽 減するために種々の潤滑技術が提案または一部実用化されている.本シンポジウムで は,それらの環境に優しい潤滑技術の現状を把握し,今後の環境負荷削減に向けた潤 滑技術の発展の方向を探る.

プログラム:開会の辞(9:25〜9:30) プロセストライボロジー分科会主査 池  浩 君

午前の部(9:30〜12:00)    司会    岐阜大学 堂田 邦明 君

午後の部(13:00〜17:00)   司会    東京電機大学 阿高 松男 君

9:30-10:30 環境負荷低減のためのこれからの潤滑技術:塑性加工において潤滑油 を使用する限り,環境への負荷を伴う.いかに最小限にとどめるかが重要であり,現 在模索されている各種潤滑技術を紹介するとともに,無潤滑での加工も視野に入れた 今後の展開について述べる.
 東京都立産業技術研究所 精密加工技術グループ  片岡 征司 君

10:30-11:30 環境負荷低減のための硬質被膜工具および超音波振動付加工具の利 用:潤滑剤の低粘度化をはかり,環境に対する負荷を低減する方策として,被加工材 に対する凝着性がきわめて低く,耐摩耗性にも優れる硬質皮膜(例えばDLC皮膜)を 工具に被覆する方法や,潤滑性を高めるために工具に超音波を付加する方法を紹介す る.
 日本工業大学 機械工学科   村川 正夫 君

11:30-12:00 水を潤滑剤とした板材成形の試み:自然界に存在する水を潤滑剤と して利用する技術を紹介する.素板と金型間に強制的に水を介在させる水圧深絞り法 ,霜もしくは氷として水を固体化して利用する霜・氷潤滑深絞り法の可能性を探る.
 千葉工業大学 精密機械工学科  中村 和彦 君

12:00-13:00--------- 昼食 ----------

13:00-13:30 プレコート・表面処理アルミニウムのプレス加工:最終工程におけ る表面処理,塗装およびプレス作業中の潤滑剤を省略し,環境に配慮したプレコート 材の成形加工例が増加している.各種プレコート・表面処理材のプレス加工実験例お よび様々な検討課題について述べる.
 法政大学 工学部  大澤 泰明 君

13:30-14:00 金属缶の成形における環境に優しい潤滑技術:従来の液体潤滑剤を 使用するDI成形に代わる,缶用ラミネート新素材とストレッチドロー・アイアニング 法との組み合わせにより無液体成形法(ドライ成形法)が実用化でき,環境負荷の大 幅な低減が達成できた.ここではその技術の考え方,成形法,ラミネート材の潤滑特 性等を紹介する.
 東洋製罐グループ綜合研究所  今津 勝宏 君

14:00-14:30 簡易設備・短時間処理可能な冷間鍛造用水溶性潤滑剤の開発:冷間 鍛造には,従来よりボンデ処理が実施されているが,廃液・廃棄物の発生はさけられ ない.環境負荷を削減し,さらに生産性向上を図るための代替潤滑剤につて,その開 発状況を報告する.
  トヨタ自動車(株)本社工場鍛造部   樫村 徳俊 君

14:30-14:40----------- 休憩 -----------

14:40-15:10 塩素フリー塑性加工用潤滑剤の開発動向:塩素化合物は安価かつ高 性能との理由で塑性加工用潤滑剤の極圧添加剤として多量に使用されてきた.ところ が昨今,ダイオキシン等,環境問題の顕在化から非塩素化が急務となっている.塩素 フリー化油剤の開発状況ならびに取り残されている課題を紹介する.
 日本工作油(株)技術部  木村 茂樹 君

15:10-16:10 脱脂洗浄処理における環境負荷軽減対策:オゾン層保護のためフロ ン,エタン洗浄を転換した洗浄現場では,さらに代替洗浄剤成分の工場外環境への排 出削減に努力している.そうした諸対策の全貌について概説する.
(株)ダン科学 研究開発部 平塚 豊 君

16:10-17:00 総合討論: 司会 東京都立産業技術研究所  片岡 征司 君

定員:100名(定員になり次第締切り)
参加費:会員8,000円(学生会員は半額),一般12,000円(協賛学会員は会員扱い, テキスト代を含む.)
<テキストのみ必要な場合は,シンポジウム終了後に残部があ れば5,000円にてお分けします.
また,シンポジウム終了後,懇親会(別途4,000円当 日徴収いたします)も開催しますので,是非御参加下さい.

申込方法:「第196回塑性加工シンポジウム申込み」と題記し,(1)氏名,(2)会員資 格(正・賛助・学生・協賛学協会名),(3)勤務先,(4)所属部課名,(5)通信先(郵 便番号,住所,電話番号,FAX番号),(6)送金方法,(7)懇親会出席の有無 を明記 のうえ,郵便またはFAXにて下記にお申し込み下さい.

申込先:日本塑性加工学会[〒106-0032 東京都港区六本木5-2-4 第2トリカツビ ル7階 電話(03) 3402-0849, FAX (03) 3402-0965]
なおプロセス・トライボロジー分科会委員は分科会幹事に直接お申し込みください.

振込先:銀行振込(富士銀行六本木支店 普通預金口座 1382128),郵便振替( 00110-9-14492),口座名義(社団法人日本塑性加工学会)